Archive for the ‘不動産の価格’ Category

郊外の住宅団地の不動産価格

2020-09-02

高度成長期には、大都市圏の郊外に大規模な住宅団地が造られました。名古屋市の郊外にも、瀬戸市や春日井市に区画整然としたニュータウンがあります。また、当時は入居希望者が多く、お隣岐阜県の多治見市や可児市の住宅団地に家を買って引っ越した人も多くいました。

このニュータウンとよばれる住宅団地の衰退が続いています。住民の高齢化が進み、空き家も増加しています。また、中心市街地からも離れていて、最寄り駅からも距離があるため需要も弱含み傾向にあります。

先日、埼玉県の鳩山ニュータウンの中古住宅の売り出し価格が250万円、との記事を見ました。余程買い手がいないのでしょうか、かなり安い価格が付いています。名古屋圏のニュータウンの価格も、街並みや物の築年、程度、土地の広さなどを考慮すると割安な売値となっています。

今回のコロナ禍で言われる買い手の不動産の嗜好性の変化、駅距離より部屋の数、が本当なら、ニュータウンの不動産需要も増え、価格も上がると思うのですがその兆候は出ていません。

テレワークもコロナ禍後も続く保証はありませんし、都市の生活に慣れた人が利便性の劣る地域に住むのは難しいと思います。ニュースで報道されるように都心部から郊外への移住が進むのか、興味深く見守りたいと思います。

愛知県・名古屋市の不動産鑑定士「松岡不動産鑑定士事務所」

空き店舗と商業地の地価

2020-09-01

新型コロナウィルス感染症の拡散は、飲食店などの経営に大きな影響を与えています。聞いた話では、管理会社は店子からの家賃の減額依頼の対応で大変だそうです。

先日、ネットで静岡市の繁華街の記事が出ていました。静岡市の繁華街である両替町では、空き店舗が目立っており、飲食店の撤退が続いているそうです。地元の不動産業者の方はあ、現時点では、行政による支援事業、持続化給付金や家賃補助などで持ちこたえている店舗の撤退が今後は続くと予想しています。この業者さんの話では、空き店舗のテナント募集する際の新規家賃は、現行家賃より1割から2割下げる提案を大家さんにしているそうです。

空き店舗が増えたり、料の値下げが続けば、その収益ビルから十分な収益を得られず、鑑定評価で試算する収益価格は下がることになります。また、大家さんの経営を圧迫した結果、商業ビルの売りが増え、供給が需要を上回ることになり、商業地地価は下がることになります。

今回の新型コロナウィルス感染症蔓延の地価への影響、注意深く見守る必要があると思います。

愛知県・名古屋市の不動産鑑定士「松岡不動産鑑定士事務所」

フランク・ロイド・ライト設計の住宅の価格

2020-08-31

先日、アメリカの有名な建築家フランク・ロイド・ライトが息子夫婦のために設計の住宅が7億7000万円で売却された、との記事が出ていました。この家は、ライト最後の傑作住宅といわれ、通称「らせんの住宅」と言われています。

このらせんの住宅は、過去、取り壊しの危機にあっており、今回の売買価格は、2018年に売買された価格の半分の値段であり、建物は保存される計画です。

日本でも、このような歴史的価値のある建物の保存運動は起こりますが、お金の問題で取り壊されることが多いのです。アメリカは理解のある富裕層が多いのか、古い建物が多く保存されていますね。

愛知県・名古屋市の不動産鑑定士「松岡不動産鑑定士事務所」

リノベーションと中古住宅の鑑定評価

2020-08-29

日本は欧米との比較で中古住宅市場が未成熟と言われることがあります。日本の住宅は、木造家屋が中心であり、高温多湿の気候と相まって耐用年数が短いことも理由だと思います。また、施工や品等が良い場合であったも、間取りや設備などが昔の日本人の生活様式に合わせてあり、リフォームが難しく費用が掛かることも理由と考えられます。

このような理由から、築年数の経た中古住宅の鑑定評価を行う場合、建物価値は低いか、ゼロ円、場合によっては取り壊し費用を控除することが多いです。

私見ですが、最近は、間取りや設備などが今風の中古住宅が増えており、現行建物をリフォームやリノベーションで利用できるケースが多いと感じています。

そのような質の良い中古住宅価格もそれなりになりますが、新築物件よりは割安になるので、今後、このような不動産が増えることで中古住宅市場も活性化されるのでは、と思います。

愛知県・名古屋市の不動産鑑定士「松岡不動産鑑定士事務所」

建物の間取りと鑑定評価額

2020-08-25

戸建住宅などの建物鑑定評価をする際、築年数、構造や使用、設備に加えて建物の老朽化・陳腐化などを考慮して価格を決定することになりますが、間取りに関しては、特に特殊な場合以外、価格形成に影響しないと考えられます。

先日、細く区切った間取りのマンションは売れにくい、との記事を見ました。昔の家族は子供が多く、それぞれ独立した子供部屋を確保する必要から狭い部屋が多くなったようです。このような鑑定評価の場合でも、特に減価が生じることは少ないですが、著しく狭小な部屋、例えば4.5畳程度の部屋が複数ある場合などは、市場性の減価が生じる可能性はあります。

間取りと鑑定評価額との関係ですが、その対象不動産が存する地域にもよると思います。例えば、都心の高齢世帯が需要者となる地域では、余裕のある間取りが好まれますし、子育て世帯が多い地域では部屋数を望む需要者が多いと思います。

また、リノベーションによる間取り変更も考えられますが、パーテーシ費用も掛かりますし、耐震性などの構造上の問題が発生する可能性があるので注意が必要です。

愛知県・名古屋市の不動産鑑定士「松岡不動産鑑定士事務所」

狭小戸建住宅の鑑定評価額

2020-08-23

テレワークの普及に従い、狭小戸建住宅の人気が出てきた、との記事を多く見ます。実際、マンションの成約件数が減る中で、一部の戸建住宅の成約は増えているそうです。

狭小戸建住宅の定義ですが、名古屋だと100平米以下の敷地に建つ住宅とのイメージでしたが、最近では80平米程度の土地にも3階建ての建物を建てて販売しているようです。

ちなみに狭小戸建住宅ですが、土地が狭い分土地建物の配分割合が建物に多くなることになり、一般的な新築建物を想定すると鑑定評価額はそれなりの金額になることが多いです。

但し、このような狭小戸建住宅を扱っている、俗にパワービルダーと言われる開発業者は、建物の建築費を抑える独自のノウハウを持っており、一般的な需要者が買いやすい価格を設定することで売り上げを伸ばしていると考えれます。

競合するマンション価格の上昇に加えて、今回のコロナ禍によるテレワークの普及で需要を増やしている狭小戸建住宅、この傾向が続くか今後の推移を見守りたいと思います。

愛知県・名古屋市の不動産鑑定士「松岡不動産鑑定士事務所」

機械式駐車場のあるマンションの鑑定評価額

2020-08-20

中心市街地など土地に余裕のないマンションの場合、駐車場附置義務を満たすため機械式駐車場を設置しているマンションは多くあります。機械式駐車場は、狭いスペースに複数台の車を駐車できるというメリットはありますが、管理費や修繕積立金の負担はあります。

また、機械式である以上、いつかは老朽化により修繕不能をなる時期は来ますので、相当以前に設置された旧式の機械式駐車場を設置したマンションの鑑定評価額は、何等かの減価が生ずるものと考えられます。

また、最近では、車を持たない世帯も増えており、空きの多い機械式駐車場が設置されている場合、管理費や修繕積立金の不足が発生している可能性もあります。このようなマンション鑑定評価を行う場合、以上の2点は注意する必要があると思います。

愛知県・名古屋市の不動産鑑定士「松岡不動産鑑定士事務所」

愛知県西三河エリアのマンション価格

2020-08-17

愛知県西三河エリア(豊田市、安城市、岡崎市、刈谷市、知立市)は、名古屋市の東方、三河地方の西部に位置しており、トヨタ自動車をはじめとする自動車産業の盛んな地域で、地価もコロナ禍が始まるまでは上昇傾向が続いていました。

騰落率35.7%と驚異的な騰落率での駅別の1位は、JR東海道本線の「岡崎駅」でした。トヨタ関連企業の従業員のベッドタウンであり、2016年の岡崎東インターチェンジの開通による利便性の向上が理由のようです。駅別の2位は、JR東海道本線の「刈谷駅」の14.4%、こちらも二けたを超える騰落率となりました。

長期にわたり地価上昇が続いていた西三河エリア、今回のマンション価格もそのような傾向を反映した結果となりましたが、今回の新型コロナウィルス感染症の影響が今後のマンション価格にどのように現れるか、注視したいと思います。

愛知県・名古屋市の不動産鑑定士「松岡不動産鑑定士事務所」

令和2年相続税路線価と新型コロナウィルス感染症の影響

2020-08-15

7月1日に国税庁から発表された相続税路線価は、土地に関する相続税・贈与税の課税の基準となるもので、実勢価格時価)の80%と言われています。

その路線価ですが、全国平均で上昇しており、特に都市部やリゾート地などでは大幅な上昇となりました。但し、その価格時点は1月1日時点となっており、今回の新型コロナウィルス感染症蔓延の影響がない時点の価格となっています。

従って、今年、土地の相続が発生した場合、どのように新型コロナウィルス感染症による減価を反映させるかが問題となります。国税庁は、地価下落が発生した場合は便宜を図る方向で検討しているそうです。

但し、前記のとおり相続税路線価は、実勢価格時価)から20%引いた価格となっており、20%を超える減価が発生する可能性があるかは不明ですが、注視する必要はあると思います。

愛知県・名古屋市の不動産鑑定士「松岡不動産鑑定士事務所」

地価40億円の土地と再開発のお話

2020-08-14

大規模再開発が続く東京で、今年2月に新たな再開発計画が竣工しました。場所は東京の大手町1丁目、周辺の土地の価格は地価公示価格で1坪訳9091万円だそうです。

その開発計画ですが、平将門の首塚を残す形で計画されているそうです。何でも、過去、このような開発計画が起こる度に事故が多発し、一部は強化ガラスで保護されています。ちなみに、その首塚の広さは約44坪、公示価格ベースで40億円強になります。

今回のような大規模な再開発の場合、期間も長期に及びますし、工事期間及び開業後の安全を考慮したものではないかと考えられます。

このような畏敬の念から残されているものとして、今回の首塚の外、ご神木があげられます。大阪や名古屋でも、ご神木を残す形で道路の整備を行った場所があります。

そういえば、リニモ新幹線の工事に伴い移転されることが決まった名古屋市中村区の椿神社ですが、ご神木を伐採する業者が決まったと聞いたことがあります。神社の移設の際には丁重にお祀りして、無事に工事が終わることを祈っています。

愛知県・名古屋市の不動産鑑定士「松岡不動産鑑定士事務所」

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