Archive for the ‘特殊な不動産’ Category
3Dプリント住宅の価格
平面ではなく立体物をプリントできる3Dプリンター、産業用で使われていたものが最近では家庭用の安価なものも普及しています。
この3Dプリンター、建築費や人件費の高騰が続く中、建物の建築に使用されるようになりました。日本では建築基準法などの制約があり、3Dプリントの建物はまだ少ないですが、アメリカでは年々、需要が増えているそうです。
建築費は従来の木造工法より15%程安く、30%のコストダウンを目指しているそうです。以前より建築費が上がっていることを考えると、15%でもかなりの節約になると考える需要者が多いとも言えます。
建築期間ですが、約110㎡程の家が22時間で完成したとのこと、何だかプラモデル感覚ですね。
日本でも既に建築確認申請取得の建築物は完成しており、価格は30坪300万円、24時間以内に完成するとのことです。
今後の動向としては、建築費の上昇傾向が続き、建築基準法等の制限が緩和された場合、3Dプリントの家は増えると考えられます。
将来、3Dプリントの家が一般的になった際には、日本の街並みがそっくり変わってしまうかもしれません。
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旧かんなみ新地の価格
以前はどこの街にもあった歓楽街、規制が厳しくなった近年、他の用途への移行が進み、かっての面影を残すのみとなった地域も多くなりました。
その中でも歓楽街として残ってきた兵庫県尼崎市の旧かんなみ新地、市が2億7000万円で取得、との記事を見ました。土地の広さは約850㎡、狭い土地に多くの建物が雑居していた様子が分かります。この取得費の内訳は土地建物の取得費、建物の解体撤去費、その他売却に係る経費が含まれています。
特に古い商業用不動産の場合、権利関係が複雑な場合が多く、現在、8割の地権者との間で売却が合意とのことです。取得費の中には移転に伴う補償費用も入っているため、土地面積に比して取得費が高額になったのだと思います。
更地後一体としての土地利用が予定される旧かんなみ新地、売却後、どのように利用されるか注目して見守りたいと思います。
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お風呂がない不動産の価格
物価高による景気悪化が言われる中、風呂なし物件の需要が増えている、との記事を見ました。お風呂のない物件は家賃も安く、少しでも生活費を切り詰めたい人が入居しているようです。
お風呂のない物件、私が子度の頃は沢山ありました。周りにお風呂屋さんも何件かあり、住民のちょっとした憩いの場となっていました。
また学生向けアパートもお風呂のない物件は沢山あり、中にはトイレや台所も共同という寮のようなアパートもありました。今では殆ど見られなくなりましたが。
このようなお風呂のないアパートの価格、以前であれば取り壊し前提で建物価格はゼロが普通だと思いますが、地域的に賃貸需要があり、かつ、修繕維持の状態がよい場合などでは建物に価格がつくことも考えられます。
少し前までは浴室とトイレが分かれていないユニットバスの物件は敬遠されましたが、最近はお風呂のない物件でも入居者がある・・、日本の貧困化が進んでいると実感した出来事でした。
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ロケ地の老舗旅館の売り出し価格
廃業したホテルや旅館、廃止された保養所や寮などが売りに出されることがあります。観光地であっても衰退した地域の場合、売りに出しても買い手がつかず、廃墟となっているものも多くあります。
一方、都市部や利便性などがよい地域で、かつ、開発可能な土地の広さがあれば、開発業者が高値で購入するケースもあります。
先日、長野県にある映画のロケ地となった老舗旅館が1880万円で売りに出された、との記事を見ました。建物は大正末に建てられたもので、映画撮影時の部屋もそのまま残されているそうです。
長野県の旧街道沿いという立地から、観光施設として存続できるか否か、難しい判断になりそうです。
大正時代の面影を残す貴重な建物、現状維持を前提に購入する買い手が現れるか、また、その場合の売買価格がいくらになるか興味深いです。
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条件の付いた不動産の価格
不動産の鑑定評価においては、最有効使用(ある不動産の効用が最高度に発揮される可能性に最も富む使用方法)による価格を求めることが原則であり、対象不動産の存する地域性や個別性を判定し、最有効使用を判断することとなります。
但し、実際の不動産市場では、不動産の売買において条件が付されることがあり、例えば戸建住宅地などの土地の売買において建築条件付きの売買がなされることがあります。買い手は売り手である不動産業者の指定した建物を建てることを条件に、割安な価格で土地を購入することができるというメリットがあります。
また、市街地再開発などで中核となる施設を誘致する目的で、大規模地などが売るに出されることがあります。このような場合、売り手である事業者(主に自治体)は、売買にあたり条件と付けることがあります。
先日、広島県呉市の消防局跡地の売却で応募がゼロ、との記事を見ました。参考価格は5億7300万円、建物の用途の制限に加えて地域への貢献に加えて1年以内に既存建物を撤去・2026年までに供用開始と厳しい条件が付いていました。
おそらく、次回は参考価格を下げて再入札を行うと思いますが、解体撤去費及び建築費が高騰している現在、入札をためらった業者もあると思います。
東京をはじめ首都圏や都市圏の駅近物件であれば強気の価格設定でも入札が期待されますが、地方の再開発物件、需要は限られると思います。
次回の入札においてどのような条件が付されるか、また、参考価格はいくらになるか、興味深いところです。
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埋蔵文化財包蔵地のお話
埋蔵文化財包蔵地とは、古墳時代の竪穴式住居跡や焼き物を焼いた窯場などが埋まっている土地をいい、市町村の教育委員会などが所在地を記載した地図を管理していることが多いです。
対象不動産が埋蔵包蔵地であった場合、まず試掘を行い、その後、必要な場合は本掘を行いますが、この土地の所有者が法人の場合、その費用は所有者負担であり、事業完了時期も遅延することから敬遠されることが多いです。
また、不動産業者が土地の開発行為を行う際、事前にこの地図みて調査を行うのですが、時々、地図に載っていない遺跡跡などが見つかる場合もあります。
先日、大阪府豊中市のビル建設予定地から古墳時代の集落跡が見つかった、との記事を見ました。上空からの写真を見ましたが、掘削深さは50cmくらいでしょうか、よく今まで見つからずにいたと思います。
少し古い話ですが、名古屋でも読売新聞の社屋建築の際、遺跡が発見されたことがありました。読売新聞の方から織田信長のお父さんの住居跡と聞いた覚えがあります。お金も時間もかかる発掘調査、新聞社の方も諦めの雰囲気でした。
日本は遺跡の多い国であり、掘れば何か出てくる、と言った方がいました。資金に余力のある大企業の場合はよいですが、開発予定地が埋蔵文化財の包蔵地であった場合、中小の零細企業にとっては頭の痛い話となりそうです。
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湯沢のリゾートマンションの価格
このコラムでも度々書いている越後湯沢のリゾートマンション、一時は売りに出しても買い手がつかず、10万円程度の価格設定がされていましたが、コロナ禍で状況が一変したようです。
ネット記事によると、コロナ禍でのリモートワークの普及により需要が急増し、延面積50㎡程度の物件で平均売買価格が200万円近くまで上昇したそうです。
上越新幹線で首都圏からのアクセスも比較的よく、熱海や軽井沢と同じようにセカンドハウスとしての需要が増えているのだと思います。
私もかなり前、越後湯沢のリゾートマンションを価格調査したことがありますが、所有者の方は富裕層の方が多く、修繕費や管理費等の滞納者も少ないようで、管理は比較的良好であったと記憶しています。
もっとも、バブル期ではありましたが、新築価格は5000万円程度であったと聞いていますので、200万円でも安いかもしれません。
現在売却を考えているオーナーの方は、今が売り時なのか悩ましいところです。
越後湯沢のリゾートマンションの価格上昇、コロナ禍における一過性のものなのか、コロナ禍が終息したのちも続くのか、注意深く見守りたいと思います。
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島の鑑定評価
尖閣諸島や馬毛島の売買で注目を集めた島の鑑定評価額、私は遭遇したことはありませんが、難しい鑑定評価になると思います。
最近のアウトドアブームで、瀬戸内海などの孤島が売買されるとの話は聞いたことはありますが、相場を形成する程の取引数ではなく、その売買金額が表に出てくることも少ないことが理由です。
また、実際の取引金額が分かったとしても、島は千差万別であり、個別性が強いことから比準が難しいこともあげられます。
先日、中国の女性が日本の島を購入した、との記事を見ました。広さは約70万㎡、サンゴ礁が見えるとのことなので沖縄付近の島なのかと思います。
気になるお値段は不明ですが、入札開始価格は1100万円とのこと、落札金額はそれ以上になったと思われます。
島、特に無人島は水道などのインフラがなく、交通手段となる船も必要となることから、需要者はインフラ整備にお金を掛けられる人に限られると思います。
将来、所有する無人島が開発されて生活が可能となった日には、自分一人だけのプライベートビーチでの休暇を楽しむことができる、夢のような話ですね。
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事故物件の家賃
事故物件とは、過去に事件等何等かの問題があった不動産を言い、対象となる事故は、自殺や殺人など主に事件性のある人の死を指すことが多いです。忌み物件と言われることもあります。
事故物件、広義に言えば人の死に至る事件でなくても、強盗や放火などの犯罪が絡んだ不動産も含めてよいと思います。
事故物件の売買、土地建物であれば建物は解体されて更地売買になることが通常と考えられ、市場性減価はあまり問題になることはないかと思われます。
よく問題になるのはマンションなどの解体が困難な場合で、自殺者が出た物件の場合、市場相場の半値などと言われることが多いです。
先日、ネットで事故物件の賃貸の場合、家賃は類似物件の2割~3割安のことが多い、との記事を見ました。価格と賃料との違いを考慮しれば、凡そ妥当な減価率だと思います。
事故物件、売買も賃貸もそうですが、心理的瑕疵を気にする人はいくら安くても契約しませんし、気にならない人にはお得な物件であると言えます。
不動産鑑定評価の業務で、以前、自殺者と事故死者の出た物件を調査したことがあります。私は霊感は強い方ではありませんが、やはり異様な雰囲気を感じたのを覚えています。
事故物件、精神的に強い人以外、やはり手を出さない方が無難なのかもしれません。
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村を全ての売り出し価格
日本でも過疎が進み、限界集落が社会問題化していますが、先日、スペインで村全体が売りに出された、との記事を見ました。
気になる価格は約3800万円、一般の方でも何とか手が出そうな価格となっています。
この村は1950年代ごろ、電力会社が貯水池を造る目的で開かれた村で、1980年代には廃村になった、とのことです。
残された建物はホテル、境界、公営プール、住宅等、荒れた建物が多く、インフラの整備も不十分であり、整備に多額の費用が掛かるため、お手頃な価格に設定されていると思われます。
ちなみにこの村を観光地に変えて利益が出るまでに持っていくには、200万ユーロ超(約2億8700万円)かかるとのこと。
さて、この廃村、買い手がつくでしょうか?興味深く見守りたいと思います。
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